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LoRaWANとは? IoTに欠かせない無線ネットワークの特徴

IoT(Internet of Things: モノのインターネット)を活用した取組みは製造・医療・農業など、さまざまなユースケースで広がりを見せています。

そのIoTデバイスが無線通信を行う際には、LPWAという技術が利用されます。LPWAは低消費電力で長距離通信を可能にする技術ですが、そのなかでも高い注目を集めている規格が自前で基地局を設置できるLoRaWANです。

本記事では、IoTのデータ通信に適したLoRaWANネットワークの概要や特徴、導入する際の主な流れを解説します。IoTを使ったサービス展開や事業への導入を考えている方は、ぜひご参照ください。


目次[非表示]

  1. 1.LoRaWANとは
  2. 2.LoRaWANの特徴
    1. 2.1.長距離通信が可能
    2. 2.2.消費電力が少ない
    3. 2.3.通信が安定している
  3. 3.LoRaWANを設置するために必要な機器
  4. 4.LoRaWANを導入するまでの流れ
  5. 5.まとめ


LoRaWANとは

LoRaWANとは、IoT向け無線通信技術であるLPWA(Low Power Wide Area:ロー パワー ワイド エリア)の一つで、LoRa(Long Range)の変調方式を採用した代表的なネットワーク規格のことです。

Long Range Wide Area Networkの略称で、直訳すると“長距離広域ネットワーク”という意味になります。LPWAはライセンス不要の通信方式とライセンスが必要な通信キャリアを使った無線方式の2種類に分けられますが、LoRaWANはライセンス不要の無線方式で、920MHzの周波数帯域を利用しています。

LoRaWANはLPWAのなかで最もオープンな規格として、世界500社以上のIoT関連企業が加盟する“LoRa Alliance”によって仕様化されました。国内の関心も高く、多くの企業によって実証実験が行われています。



LoRaWANの特徴

長距離対応の無線規格である5GやLTE、近距離対応のWi-FiやBluetoothは、スマートフォンの普及とともに広く知られている無線通信技術です。

しかし、これらに比べればまだLoRaWANの知名度は低いのが現状です。ここからは、LoRaWANの特徴を通して知名度の高い通信規格とどのような違いがあるのかを解説します。


長距離通信が可能

LoRaWANは、長距離の通信に特化している規格です。

3G以降の携帯電話で利用している800MHz帯で届く距離は2~5kmといわれていますが、LoRaWANは10km程度と倍以上に及びます。

見通しがよい場所であれば広範囲での通信が可能なLoRaWANですが、業務に利用する場合は屋外であれば3km程度、障害物がある屋内の場合は1km程度での利用が現実的です。


消費電力が少ない

LoRaWANは、消費電力が少ない点も特徴です。ボタン電池1個の電力でも双方向通信ができるほど消費電力が少なく、そのバッテリーは連続稼働で10年間以上持続するともいわれています。

頻繁な充電や電池交換などがなく、設備維持にかかるコストが少ないのも、LoRaWANの強みです。


通信が安定している

LoRaWANが利用している920MHz帯は、ほかの無線ネットワークが存在していても安定した通信ができるとされています。

対して、Wi-Fiが利用している2.4GHz帯はパソコンや家電などでも利用されるため、電波が密集して通信が不安定になりやすいという側面があります。そのため、多くの人が一斉に利用すると通信が不安定になる場合があります。

さらに、LoRaWANは電波の回り込み特性にも優れているので、障害物が多い室内でも安定した通信が可能です。電波干渉が起きやすい工場内でも利用しやすいという点もLoRaWANの特徴といえるでしょう。



LoRaWANを設置するために必要な機器

LoRaWANのネットワークは、IoTデバイス・ゲートウェイ・ネットワークサーバ・アプリケーションシステムで構成されています。

LoRaWANを設置するために必要な機器の概要は以下のとおりです。



ゲートウェイ
通信プロトコルが異なるネットワークがやり取りする際の中継を担う
ネットワークサーバ
センサー端末の管理や収集したデータをアプリケーションシステムに転送する
アプリケーションシステム
センサー端末で計測したデータを可視化する


これらは自社で用意して構築することも可能ですが、専門業者へ依頼することで場所に適したゲートウェイの設置や規模に応じたネットワーク環境の構築、業務に応じた専用アプリケーションシステムなどの提供を受けられます。



LoRaWANを導入するまでの流れ

LoRaWANを導入し、業務に活用するには以下のような流れになります。

  1. LoRaWANに対応したIoTデバイスを準備
  2. ゲートウェイの設置
  3. ネットワークサーバとアプリケーションシステムを連携

ただし、ネットワーク環境の構築には専門知識が不可欠です。たとえば、ゲートウェイの設置場所や通信状況のシミュレーションなど、問題なく業務で活用するまでに検討する必要があることは多岐にわたります。

このような課題を解決し、スムーズに導入するためには専門業者へ依頼することがおすすめです。


スマセッチ


スマセッチ』は、LoRaWANの導入に必要なプロセスのすべてをワンストップで依頼できるスマートインフラ構築プラットフォームです。LoRaWANをはじめとしたさまざまな通信方式にも対応しており、仕様検討から運用・保守までのすべてを一貫して請け負います。



まとめ

離れた場所からヒトやモノの状態を把握し双方向でデータ通信する役割を担うIoTは、企業の発展と作業の効率化に不可欠です。

消費電力が少なく、安定した長距離通信が可能なLoRaWANは、IoTデバイスのデータ通信に適した規格としてさまざまな場所で普及し始めています。

今後もさらなる広がりが予想されるIoT化に備えるためにも、LoRaWANの導入は有効といえます。ただし、LoRaWANを導入し、業務に活用していくためには適切なネットワーク環境の構築が必要となります。

「自社のIoT化のためにLoRaWAN導入したい」「スマートインフラの構築に興味があるけれど導入方法が分からない」などのお悩みを抱えている方は、実績の豊富なスマセッチに依頼すれば、スムーズな導入・運用が可能です。

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