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デジタルツインとは? 基本概要から活用事例までを解説


2021年末にFacebook社が社名をMeta社に変更したこともあり、メタバースがトレンドとなりつつありますが、実はデジタルツインはメタバースは似たような概念となります。

総務省の『令和5年版 情報通信白書』によると、メタバースとは「ユーザー間で“コミュニケーション”が可能な、インターネット等のネットワークを通じてアクセスできる、仮想的なデジタル空間」であり、デジタルツインとは「現実空間の物体・状況を仮想空間上に「双子」のように再現したもの」であると言われています。

つまり、メタバースもデジタルツインもどちらも「仮想空間・デジタル空間」であることに変わりはないのです。ではなぜ、メタバースとデジタルツインは言葉も用途も違うのでしょうか。

本記事では、デジタルツインの概要からメタバースとの違い、デジタルツインの事例を解説します。

目次[非表示]

  1. 1.デジタルツインとは
  2. 2.デジタルツインとメタバースの違い
    1. 2.1.①デジタルツイン
    2. 2.2.②メタバース
  3. 3.デジタルツインの事例
  4. 4.まとめ



デジタルツインとは

冒頭でもお話した通り、デジタルツインとは「現実空間の物体・状況を仮想空間上に「双子」のように再現したものである。製造業やヘルスケアなど多様な分野でのシミュレーションや最適化及び効果・影響・リスクの評価などでの活用が進んでおり、世界のデジタルツインの市場規模は2020年の2,830億円から2025年には3兆9,142億円に成長すると予測されている。」と言われています。
出典:総務省『令和5年版 情報通信白書 第2部 第7節 5 (3)デジタルツイン


つまり、収集した膨大なデータを活用し、限りなく現実に近い物理的なシミュレーションを行うことを可能にする技術であるといえます。デジタル空間上で現実に近いシミュレーションが可能となると、自社製品の製造工程やサービスの在り方の改善をより容易に行うことも可能です。

従来では製造ラインの変更を行うためには、設備投資や製造ラインの一部停止など、ある程度の初期費用をかけないといけませんでした。しかし、デジタルツインを活用すれば事前にデジタル上でテスト運営を行えるため、開発期間やコストの削減が見込めます。


したがって、データ収集のためのインフラ整備を行ってしまえば、様々な用途に応用でき、多くのビジネスチャンスやコスト削減が可能な可能性のある技術であるということが言えます。



デジタルツインとメタバースの違い

デジタルツインとメタバースはどちらも「仮想空間・デジタル空間」のことであり、似たような概念ですが、実は両者は全く異なります。仮想空間を作り出すという点だけを切り取れば、混同してしまう方も多いかもしれません。
しかし、両者の目的や用途を考慮するとそれぞれが異なる概念であることがわかります。


デジタルツインでは、シミュレーションなどで役立つ現実世界のコピーを作成するのに対し、メタバースは必ずしも仮想空間と現実世界が同一のものであるとは言えません。また「アバター」が起点となって、仮想空間の中でも活動可能であるという特徴も決定的にデジタルツインと異なる点であると言えます。

つまり、メタバースでは、アバター同士のコミュニケーションも発生しますが、デジタルツインでは起こりえません。


以下のように、デジタルツインはシミュレーションの場、メタバースはコミュニケーションも可能な場であると言い換えることができます。

①デジタルツイン

・シミュレーションの場
・シミュレーションなどで役立つ現実世界のコピーを作成
・アバター同士のコミュニケーションは発生しない


②メタバース

・コミュニケーションも可能な場
・必ずしも仮想空間と現実世界が同一のものではない
・アバター同士のコミュニケーションも発生する


したがって、デジタルツインとメタバースは、概念自体は似通っていますが、実はまったく目的や用途も異なるテクノロジーであると言えます。

出典:docomo business Watch IT用語集『デジタルツインとは



デジタルツインの事例

実はデジタルツインの活用事例は、すでにさまざまな場所であります。 
日本においては、国土交通省の主導のもと、3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化を推進する「Project PLATEAU」が始まっており、すでに東京23区などの全国各地の3D都市モデルがオープンデータとして公開されています。

これと設置したIoT機器から取得したデータを組み合わせ、「都市活動モニタリング」、「災害リスクの可視化」、そして「都市開発計画」などに活用されています。

出典:国土交通省『PLATEAUとは


海外においては、シンガポールにてデジタル上の仮想のシンガポール「バーチャル・シンガポール」を作る取り組みがあります。
これは、地形や建物、道路などの3Dデータが取り込まれた架空のシンガポールをデジタルツインにて作成するといったプロジェクトです。

このバーチャル・シンガポールには、リアルタイムで情報が反映されており、監視カメラから得られた交通情報、駐車場の使用状況、さらには地形や建物の向きから太陽光発電による発電量のシミュレーションも可能であるといいます。
また、デジタルツイン上で都市計画のシミュレーションを行うことで、この道路を作ることによって本当に交通状況が改善されるかを事前に分析し、何年もかけて作った道路が、結果として交通渋滞を悪化させてしまうなどを未然に防ぐことを可能にしています。

出典:第一生命経済研究所『デジタルツインの衝撃 ー Society5.0を支えるミラーワールド ー


このようなデジタルツインの活用事例をあなたの身近なところでも活かすために、デジタルツイン構築の第一歩である IoT機器の設置から検討してみてはいかがでしょうか。



まとめ

今後、IoTを活用してリアルタイムの情報も取り込み、それらのデータを蓄積・活用することでデジタルツインの実現がより現実的なものになることが予想されます。


故障する可能性を事前に察知し、故障前に使用停止させるようアラートを上げるなどの製造業での活用から災害対策まで幅広く活用することが社会的にもさらに求められてくると思われます。

デジタルツインの実現や長期間にわたり確実にデータ収集を行うためにはIoT機器の点検・管理・補修は不可欠です。


IoT機器のモニタリングサービスを活用すれば、遠隔管理が可能になり、最適なタイミングで対応ができます。デジタルツインを支えるIoT機器の状態を細かく管理することでIoT機器の安定的な運用を実現すると共に、管理コストを削減します。

また、定期点検時における負担の削減や効率化にも役立ちます。目視で行う点検業務をIoTセンサ等で収集したデータの変化から推察することで、業務効率化や省人化が可能です。
社会的なインフラとして今後さらに重要となるデジタルツインの安定的な運用にとって、メリットが多いサービスといえます。



「デジタルツインを支えるIoT機器モニタリングサービスを活用したスマートインフラの構築に興味がある」「コストを抑えてリモートモニタリングを実施したい」とお考えなら、設置から保守まで対応している専門会社に依頼してはいかがでしょうか。

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