catch-img

モビリティ分野にリモートモニタリングを導入するメリット

モビリティ分野では、IoT機器やAIを駆使したリモートモニタリングが盛んに行われています。

リアルタイムで情報を収集・分析することで、点検や修理、配送といった現場に赴いて行うフィールドサービスにかかるコストを大幅に削減できるリモートモニタリングは、モビリティ分野で欠かすことができません。

自家用車・タクシー・建設機械・物流トラックといった身近な分野でもすでに導入が始まっており、さまざまな目的で活用されています。

本記事では、モビリティ分野にリモートモニタリングを導入する目的、メリット、今後のビジネス展開を解説します。


目次[非表示]

  1. 1.モビリティ分野におけるリモートモニタリングの導入目的
  2. 2.モビリティ分野にリモートモニタリングを導入するメリット
    1. 2.1.自家用車
    2. 2.2.タクシー車両
    3. 2.3.建設機械
    4. 2.4.物流トラック
  3. 3.リモートモニタリング導入前後の比較
  4. 4.今後のビジネス展開
  5. 5.まとめ


モビリティ分野におけるリモートモニタリングの導入目的

モビリティ分野におけるリモートモニタリングの目的は、データを収集して有効活用することです。

以下ではモビリティ分野のなかから、自家用車・タクシー・建設機械・物流トラックの5つにおける導入目的を活用方法とともに紹介します。



分野
目的
自家用車
  • カーナビゲーションシステム(以下、カーナビ)を使用して目的地まで正確な経路で案内する
  • 走行情報を収集・分析して事故原因究明や最適運転を促すためのビッグデータとして活用する
タクシー
  • ユーザー・車両の位置情報を把握して配車業務を効率化する
建設機械
  • 稼働状況をチェックして異常を早期発見する
  • 位置情報を管理して盗難を防止する
  • 稼働データを分析して消耗品の寿命を予測する

物流トラック

  • 位置情報を把握して無駄のない運行を管理する
  • 走行データを把握して安全運転・低燃費運転を管理する
  • 走行データを比較して最適なルートを提案する


モビリティ分野のリモートモニタリングでは、カーナビや消耗品の寿命予測、事故原因の究明などを目的とし、生活やサービスをよりよくするためのデータ収集が行われます。



モビリティ分野にリモートモニタリングを導入するメリット

リモートモニタリングとひと口でいっても、走行を円滑に進めるための機能だけではなく、業務効率化や安全面の強化など、さまざまなメリットがあります。以下では、モビリティ分野にリモートモニタリングを導入するメリットを解説します。


自家用車

自家用車におけるリモートモニタリングとして挙げられるのは、カーナビです。

かつてのカーナビはGPSと連携されておらず、地図情報が表示されるだけでした。リモートモニタリングを活用したカーナビは、車の位置情報を精密に把握し、正確な経路案内を実現します。

また、走行履歴や信号待ち、パーキングの利用などのログデータをシステムに蓄積して、運転診断を行うことも可能です。


タクシー車両

タクシー車両では、配車業務にリモートモニタリングが広く導入されています。

ユーザーがスマートフォンのアプリなどから位置情報を発信することで、最短で利用できるタクシーがユーザーの元へ向かうという仕組みです。リモートモニタリングで車両の位置や空車状況を確認できるため、配車業務の効率化が可能です。

タクシー利用者の減少やドライバーの高齢化などが課題となっているタクシー業界では、リモートモニタリングを活用した配車依頼の簡便化やキャッシュレス決済の導入による利便性向上などの取組みが活発化していくと予想されています。


建設機械

建設機械では、異常検知や盗難防止にリモートモニタリングが活用されています。

稼働状況を収集・分析することで、建設機械の異常や不具合の予兆検知、早期発見が可能です。AIが搭載された建設機械の場合は、蓄積した稼働データを分析することで、消耗品の寿命予測やメンテナンスのタイミングを図れます。過去の部品交換履歴をデータで残すことにより、作業員の訪問回数を減らせます。

また、位置情報を管理すれば、建設機械の盗難防止や盗難にあった場合の追跡、早期発見にも役立ちます。


物流トラック

物流トラックでは、車両の異常検知や輸送業務における改善指示にリモートモニタリングが活用されています。

リモートモニタリングシステムは、データの遠隔診断により車両の故障・不具合の究明が可能です。すばやく異常を検知できれば、ドライバーの安全を確保しながら整備工場や販売店、ロードサービスへ誘導できます。

また、位置情報や運行履歴、燃費情報などを分析すれば、適した運行計画の作成や危険運転の防止に役立ちます。急発進や速度超過などを検知して運転指導を実施することで、事故や車両の故障の削減も期待できるでしょう。運転効率の向上や燃料代・人件費の削減なども可能です。



リモートモニタリング導入前後の比較

モビリティ分野は、安全確保や運転精度の向上、省エネへの対応など、さまざまな課題を抱えています。

こうした課題を解決の一助となることが期待されているのが、IoTを活用したリモートモニタリングです。しかし、まだモビリティ分野のすべての製品で活用されているわけではありません。

ここからは、リモートモニタリング導入前と導入後を比較します。それぞれの違いは以下のとおりです。


分野
状況

自家用車(カーナビ)

〈導入前〉

  • 手動で地図データを差し替える
  • GPSと連動していない

〈導入後〉

  • 自動で地図データを更新する
  • GPSで正確な現在地が分かる
  • 混雑状況や現在の時間などから、最適なルートを提案する

タクシー(配車サービス)

〈導入前〉

  • ユーザーから電話で配車要請を受ける
  • 配車担当者が無線で迎車指示を行う
  • ドライバーの現在位置・空車状況が把握できない

〈導入後〉

  • ユーザーからスマートフォンアプリで配車陽性を受ける
  • カーナビ画面に迎車位置までのルートが表示される
  • ドライバーの現在位置・空車状況が把握できる

建設機械


〈導入前〉

  • 不具合が発生するまで気づかない
  • 調べてみなければどこに異常があるのか分からない
  • 盗まれてしまったらどこにいったか分からない

〈導入後〉

  • データの変化で不具合を予兆検知する
  • AIがメンテナンスの必要箇所や部品の状況を特定する
  • GPSで現在地を特定する

物流トラック


〈導入前〉

  • 無線・電話などで車両の位置を特定する
  • 手作業で運行計画を作成する
  • 道路状況の変化に柔軟な対応が難しい

〈導入後〉

  • 自動で交通情報と車両の位置を特定できる
  • データをもとに自動で運行計画を作成する
  • 道路状況に応じて安全・効率的な運行ルートを分析できる
  • 運転データで運転診断を行える



今後のビジネス展開

IoT機器やAIの進化により、モビリティ分野のモニタリングサービスの導入はこれからさらに需要を高めていくと予想できます。

とりわけ期待を集めるのが、自動運転技術の実用化に向けたモニタリングサービスの活用です。自動運転技術が自家用車に搭載されれば、交通事故の多発や渋滞といった都市問題の解決の実現につながります。

また、リモートモニタリングによる監視業務の省力化やIoTの導入による業務の効率化によって、人手不足や長時間労働などの社会的な課題の解決も期待されています。

リモートモニタリングを含むIoT機器の導入やAIの活用による省人化・標準化は、今後、業務の効率化や製品・サービスの向上を目指すうえでの重要なカギとなるでしょう。



まとめ

モビリティ分野でのリモートモニタリングの活用は、業務効率の向上や安全面の強化、省人化など、さまざまな効果を生み出しています。

現在すでに問題となっている人手不足や少子高齢化に対応していくためにも、リモートモニタリングを支えるIoT機器やAIの活用が欠かせません。しかし、IoT機器やAIをビジネスで活用していくためには、企業全体のスマートインフラ化を前提としたネットワーク環境の構築が必要といえます。

IoT機器やAIを活用したスマートインフラの構築なら、専門業者の選定から設置、運用・保守までを依頼できる『スマセッチ』を検討してはいかがでしょうか。

多種多様な通信方式、機器種別、施工種別に対応可能で、モビリティ分野の企業さまのスマートインフラ環境構築にも適しています。詳しくは、以下の資料をご参照ください。

▼スマセッチ概要資料はこちら

  資料ダウンロード | スマートインフラ構築プラットフォーム スマセッチ スマセッチのサービス内容を詳しく知りたい方は、当フォームより必要事項をご入力のうえご送信ください。フォーム送信後、資料をダウンロードいただけます。 スマセッチ スマートインフラ構築プラットフォーム


人気記事ランキング

カテゴリ一覧

タグ一覧