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労働人口減少の実態と企業が取組むべき対策

現在、日本は深刻な少子高齢化社会に直面しています。総務省の調査によると、2004年には1億2,784万人だった人口も2021年6月の概算値では1億2,547万人。年々減少を続けており、2050年には9,515万人になると予測されています。

なかでも、労働人口(労働力人口)の減少は大きな課題です。2030年には5,683万人、2060年には3,795万人まで減少するとの見込みです。

労働人口の減少は、企業努力で解消できる問題ではありません。この問題に対する有効な施策として挙げられているのは、生産性の向上です。

働きやすい職場環境に改善したり、IoTやAIを活用して従業員一人ひとりの業務効率を向上させたりすることで、限られた人数で利益を最大化させることが可能になります。本記事では、労働人口減少の実態と、企業における対策方法を紹介します。

出典:総務省『統計局ホームページ/人口推計(令和3年(2021年)1月平成27年国勢調査を基準とする推計値,令和3年(2021年)6月概算値) (2021年6月21日公表)』/『我が国における総人口の長期的推移』/内閣府『選択する未来  >  (3)人口急減・超高齢化の問題点


目次[非表示]

  1. 1.労働人口減少の実態
  2. 2.労働人口減少で懸念される課題
    1. 2.1.深刻な人手不足
    2. 2.2.GDPの低下
  3. 3.労働人口減少に備えるための対策
    1. 3.1.ワークライフバランスの実現
    2. 3.2.業務のデジタル化・自動化
  4. 4.まとめ


労働人口減少の実態

労働人口とは、15歳以上の人口のうち、就業者と完全失業者を合わせた人口のことです。

  • 就業者:実際に就労している人
  • 完全失業者:就労する意思はあるものの、就労できていない人

総務省統計局『労働力調査(基本集計)2020年(令和2年)平均結果の概要』の発表によると、日本の労働人口は2020年平均で6,868万人。前年の2019年に比べて18万人減少しています。男女別では女性の労働人口の減少が著しく、その数3,044万人。前年の2019年から14万人の減少です。

一方、男性の労働人口は3,823万人と2019年から5万人減少しています。また、少子高齢化も大きな課題です。1997年、子どもの出生率が65歳以上の高齢者の人口よりも少なくなったときから継続して少子高齢化が続いています。

内閣府『 令和2年版高齢社会白書(概要版)  >  第1節 高齢化の状況』の発表によると、2019年時点の高齢化率(65歳以上人口)は28.4%。そのうち14.7%が75歳以上となっています。現在のペースで進めば、2065年には約38.4%が高齢者になると推計されています。

出典:総務省統計局『労働力調査(基本集計)2020年(令和2年)平均結果の概要』/内閣府『 令和2年版高齢社会白書(概要版)  >  第1節 高齢化の状況



労働人口減少で懸念される課題

労働人口の減少は、社会全体の課題です。以下では、労働力人口の減少によって懸念される課題を2つ紹介します。


深刻な人手不足

最も直接的な課題は人手不足です。とくにヒューマンリソースに重点が置かれている医療・介護・サービス業などは、さらに人手が足りなくなると予測されています。

人手不足が深刻化すると、製品やサービスの需給バランスが崩れます。需要があっても供給できる体制がなければ、消費者のニーズに応えることができません。

また、人手不足は一人当たりの業務負荷を高めます。一人にかかる負担が大きくなると業務環境が悪化し、離職を招きます。これにより、さらに人手が足りなくなるという負のスパイラルに陥ってしまう可能性もあります。すでに人手不足が常態化している企業は、今後のさらなる減少を前提とした経営に取組む必要があります。

出典:厚生労働省『人手不足の現状把握について


GDPの低下

労働人口の減少で危惧されるもう一つの課題がGDP(国内総生産)の低下です。GDPは就業者数と一人当たりGDPとの積であり、必ずしも人口減少や労働力の低下によってGDPの低下が引き起こされるとはいい切れません。労働人口の減少だけが原因となって潜在的な経済成長率が低下するとは考えにくいでしょう。

一方、今後も経済的な成長を維持していくには、生産性の向上や労働力率の上昇が必要です。

出典:内閣府『平成20年度 年次経済財政報告 > 第1節 高齢化・人口減少の経済への影響』/財務省『第2章 平成年代における構造変化



労働人口減少に備えるための対策

来るべき労働人口減少に備えるためには、生産性の向上が必要です。以下では、生産性を向上するための方法を解説します。


ワークライフバランスの実現

ワークライフバランスとは、仕事と生活のバランスが取れた状態のことです。仕事は生活するうえで欠かせないものですが、家族と過ごす時間や趣味に費やす時間も必要です。

労働人口が減少しても人手不足にならない企業になるためには、仕事とプライベートのバランスを正常に保ち、一人ひとりに精力的に働いてもらえるような環境を整えることが求められます。


▼ワークライフバランスを実現するための対策例

  • 短時間勤務
  • 長期休暇制度
  • フレックス勤務導入
  • テレワーク
  • リフレッシュ休暇

従業員が働きやすい環境を整えることで、従業員一人ひとりの生産性の向上が期待できます。

また、勤務時間を減らしたり、テレワークのような柔軟な働き方を実施したりする場合でも生産性を維持するためには、既存業務のデジタル化・自動化などの施策と連携させることが重要です。


業務のデジタル化・自動化

業務のデジタル化や自動化は、生産性の向上が期待できる施策です。

今まで人が行っていたアナログな作業をデジタル化によって自動で制御できる仕組みを構築することで、少ない人数でも生産性を落とさずに業務を遂行できます。その方法として、さまざまな業界で導入が進んでいるのがIoTやAIの活用です。

IoTは、モノとインターネットを接続してデータを取得する仕組みです。一方、AIはIoTが取得したデータを分析して価値のある情報に変換、自動化を実現します。IoTやAIを活用すれば人が行っていた業務プロセスを効率化・省人化可能です。

IoTやAIを活用した生産性の向上を実現するなら、スマートインフラ構築を多く手掛ける専門業者に依頼しましょう。


スマセッチ


スマセッチ』は、IoTやAIを活用したインフラの構築のすべてを依頼できるプラットフォームです。大規模なネットワーク構築にも対応できるため、社内全体のスマート化も可能です。IoTやAIを活用した生産性向上をお考えなら、ぜひご検討ください。



まとめ

少子高齢化による労働人口の減少は、社会全体にとって深刻な問題です。将来的にもさらなる減少が推計されており、企業は少ない人数で利益を最大化するための取組みが求められます。その対策として期待されているのが生産性の向上です。

すでに人手不足にお悩みなら、IoTやAIを活用した生産性の向上に取組んでみてはいかがでしょうか。スマセッチなら、規模や地域、通信方式、設置環境を問わずにIoT機器の取付けが可能です。ご興味がございましたらお気軽にご相談ください。

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