NCUとは? 基本概要と具体的な活用シーンを紹介
公衆交換電話網(PSTN)といった固定通信網の末端に接続され、回線の制御を行うNCU。最近ではNCUをガスメーターと組み合わせた集中監視システムが展開されています。
ガスメーターとNCUの連携によりガスの使用状況を可視化することで、保安や検針・配送業務の効率化、見守りなど実現しています。本記事ではNCUの基本概要と活用シーン、将来の展望について解説します。サービスや事業でNCUを活用したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
NCUとは
NCUとは、「Network Control Unit(ネットワーク コントロール ユニット)」の略で、ガスメーターに設置する機器です。ガスの使用量をメーターから読み取り、異常があった場合には電話回線や無線機によって加入者や集中監視センターへ通知します。
通信事業者からの回線は、まず加入者宅のNCUに引き込まれ、そこからアナログモデムやパソコンなどに接続されます。かつて、NCUは単体で提供されており、専用ケーブルでモデムと接続していましたが、現在はモデムと一体化し、電話機に内蔵されるのが一般的となっています。
NCUの活用シーン
無線通信が可能なNCUをガスメーターに内蔵、または外付けすることで、検針データや保安業務に関するさまざまな情報を自動で収集・通知できます。
この機能を活かしたのがガスの集中監視システムです。NCUを活用した集中監視システムには、以下のようなメリットがあります。
▼集中監視システムのメリット
検針業務の効率化 |
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保安の高度化 |
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配送の効率化 |
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従来のガスメーターの検針は検針員が加入者の自宅を直接訪問し、ガスメーターの指示数を読み取って使用量を計測していました。
しかし、NCUと接続して集中監視センターへデータを送ることで検針業務を自動化できます。加入者宅への訪問検針がなくなるため検針日が統一され、請求日を統一できます。
また、保安面の高度化にも貢献しています。ガスメーターをNCUと接続することで、一般加入者宅で発生した緊急警報を発生と同時に把握することが可能です。ガス漏れやコンロの消し忘れなどによる重大事故を未然に防止します。
さらに、検針情報やガスの残量警報を活用すれば、配送コストを抑えたガスの提供を実現できます。このように、NCUは人々の安全性や利便性を高めるために役立てられています。
出典:経済産業省『集中監視システムの現状について』
NCUの将来の展望
NCUを活用した集中監視システムは、インターネットと組み合わせたサービスの提供が期待されており、すでに一般消費者向けのさまざまなサービスが提供され始めています。
▼サービス例
- ガス使用量の可視化サービス
- Web明細サービス
- 見守りサービス
これまでは、ガスの使用量を毎日確認することは不可能でした。しかし、NCUとインターネット技術を組み合わせることで、ガスの使用量の可視化を実現できます。
たとえば、一人暮らしをする高齢の家族の様子が気になる場合、ガス会社が提供する“見守りサービス”※1を利用し、家族のガスの使用量を確認することも可能です。可視化されたガスの使用量から、離れて暮らす家族の日常生活を見守ることができます。
このほか、NCUとインターネットの組み合わせにより、ガスの料金明細の通知や料金の支払いなどもオンラインで完了できます。NCUを活用して得られるデータは、人々の利便性の向上や安心・安全の追究に役立てられます。今後の社会への貢献に向け、IoTを活用した新たなサービスの提供が期待されています。
※1・・・見守りサービスとは見守られる側となる家族のガス使用量が数値化され、見守る側である家族の元へメールで届く仕組み
まとめ
NCUは電話機と一体型になっている機器が一般的なため、日常生活のなかで何気なく活用されています。
従来、電話回線の制御に活用されてきたNCUですが、最近ではガスメーターやインターネットと連携し、人々の利便性や安全性を高めるために活用されています。NCUを活用したIoT機器の構築をご検討なら、運用から保守までを依頼できる『スマセッチ』へご連絡ください。
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